2009年8月23日(日)ヒトナツの思ひ出

※今回のコースはこちら。

今年最大の挑戦になる11月のフルマラソン完走のために、そろそろ本気で準備しないといけないしゅんすけは、この夏の終わりにひとつ、大きな挑戦をすることにした。それは30キロを走破することである。そもそもしゅんすけは30キロの距離を走ったことがない。去年初めてハーフマラソンに出場して初めて20キロを越えるランニングを経験し、その後河口湖マラソンの27キロでさらに走行距離を伸ばしたんだけど、30キロの大台に達したことはなかった。3ヶ月後に迫ったフルマラソンのためにも、真夏のこの過酷な炎天下で30キロを走破するのはとても意味のあることだと思ったのである。
コースは、自宅から鎌倉の由比ヶ浜まで、15キロの道のりの往復である。この道は自転車で何度も来ている道で、決して楽な道のりではないけど、自転車で走る分には気負って走るような道ではない。それはあくまで自転車だからであって、上り坂はもちろん下り坂だった自力で足を踏み出さないと進まないランニングでは、見慣れた道も過酷なイバラ道になるのである。幸いさきこが伴走をしてくれるそうで、彼女のエイドに期待しつつ、スタートした。いや、もう唐突なスタートだなぁ。

最近は週に2回ほど練習をするようになってるしゅんすけだけど、走り出して早くも陽差しの強さにやられてしまった。とにかく暑い。物凄い汗の量である。ものの5キロも行かないうちに早くも休憩である。こういう日の練習はかなりパフォーマンスが落ちるけど気にせず、また休憩をこまめにちゃんと取るようにするんだそうな。途中の公園の水飲み場で身体に水を掛けたりキャップを濡らして被ったりして身体を冷やした。
走っていてだんだん楽しくなってきたのが7、8キロ付近かな。毎度そうだけど、しゅんすけはランニングが楽しくなるのが遅いのだ。ま、この日はそれでも全行程の4分の1ほどの地点だったけどね。
そんなわけで楽しく走っていると、北鎌倉の駅が現われた。おぉ、まさに鎌倉の玄関口に入ってきたわけである。またしばらく進むと建長寺。意外に楽だった坂を上って下るとそこには鶴岡八幡宮の鳥居である。いや、もう感動した。自分の足でここまで来られたことに感動した。電車やクルマや自転車で何度も来ているこの場所に、自分の足だけで来られたことに得も言われる達成感があった。いや、しゅんすけ、スゴい!

 
※(左)スタート直後。(右)七曲がりの上り坂を越えた。

 
※(左)北鎌倉付近の踏切。(右)北鎌倉駅にて。

そのまま鎌倉駅の方へ向かうと、距離にして15キロである。ここで引き返すと往復30キロなんだけど、ここまで来て引き返すわけにはいかず、足を伸ばして海を見にいくことにした。この段階では走ることの苦痛はまったくなかった。ただ海を見たい一心だったと思う。
見慣れた道を進み、ついに道路の向こうに陽差しを反射する水平線が見えてきた時には、さっき以上の感動・達成感・充実感・満足感に満たされた。海まで来たぞーっ!


※鶴岡八幡宮の鳥居まで来た!


※ついにここまで来た!

海岸はまさに海水浴客のパラダイスというか、海の家が乱立してて、まさに欲望と開放感に満たされた世界。ここまで渇望と禁欲と忍耐で走ってきたしゅんすけにはなんか遠い存在、無縁な世界だったね。水着のねーちゃんとか別の星の住人かってくらい隔絶感があった。いろんな意味で眩しかったわ。
さて、ここでいつまでも感動に浸ったり海とか水着に見とれている場合ではなく、折り返さないと30キロ走を走ったことにならないので、休憩を終えて早速復路を走り出す。ここからが結構大変な道のりだった。
もうほとんど覚えてないけど、しゅんすけが意識してランニングをしていられたのは、鎌倉駅を越え、八幡宮を越え、さらに上り坂の先、北鎌倉の辺りまでだった。ここまでは呼吸に気をつけ、フォームに気をつけ、さきこと時折会話を交わす余裕もあった。しかし肩の痛みが始まり、それに呼応して頭痛がしてきた。同じ姿勢で走り続けることによる筋肉の硬直なんだろうけど、これがだんだん苦痛になってきた。休憩して水分を補給することが増える。途中の公園の水飲み場で身体を濡らして冷やしてもなかなか楽にならなかった。
こういう時って焦っちゃうよね。自分の足でここまで来たってことは、自分の足でしか帰れないというわけである。休憩もそこそこに走り出す。そうして最後の難関、七曲がりの坂道を越えた時にはちょっと安心したな。これで大きな坂道はないから、どうあっても帰れそうだと。
さきこがよく10キロランニングの練習に来て、その折り返しとしているのが日野ICの入り口で、つまりこの場所から自宅までは5キロってことなんだけど、ここで最後の休憩を取ることにした。ここから最後まで決して休憩しないことにした。そういうコダワりというか闘争心というかモチベーションが支えになっていた。そして最後のひと頑張りである。しかしここからは往路のような感動はない。もはや進むこと、フィニッシュ地点に到達することしか頭になくて、実際その地点が道路の向こうに見えてきても、また道路から丘の上に建つ自宅マンションがちらっと見えても、フィニッシュ地点があと数メートルにまで迫っても感動は沸き上がらなかった。こ、これで終われるぅ〜という思いのまま、しゅんすけは走るのを止めた。それがしゅんすけの30キロ走のフィニッシュだった。


※復路の難所その1。


※復路の難所その2・・・死んだ。

いや、非常に疲れた。初めての30キロ、しかも炎天下の中で一度も歩かずに達成したロングランは、自分でもよく頑張ったと思う。足は所々痛い部分があるものの、歩行に支障を来すほどではなく、初めてハーフマラソンを走った11月の手賀沼を思えば大きな進歩である。近くのコンビニで買い物をして歩いて帰途に就くも、ほとんど普通に歩けたもんな。
ランニングを記録していた携帯アプリでは、34キロということになっていた。34キロ・・・!フルマラソン完走まであと8キロちょっとである。・・・ってこの状態であと8キロはさすがに殺人的である。今の段階ではまだそれでもいいが、11月にはちゃんと走れないといけない。しかも今回のようなタイムでは全然ダメである。真夏の練習だからしょうがないけど、キロ当たり8分30秒もかかってしまっていては、レースの制限時間にフィニッシュすることはできないのである。まだまだ精進を続けないとな。果たしてしゅんすけのフルマラソンはどうなるのか。

※ちなみにオソロシイことに来週の週末は某ランニング仲間が集まって、箱根で合宿である。箱根湯本から箱根駅伝5区と同じコースを往復したり、芦ノ湖を周回したりと、今から身の毛がよだつ思いであった。

※地元のコンビニ前でフィニッシュ。・・・やった。