2009年6月21日(日)西湖ロードレース


※今回のコースはこちら。

今回で3回目の出場となる西湖ロードレースは、しゅんすけが継続して出場するレースとしてはもっとも多い回数となるレースである。去年は諸般の事情で参加しなかったけど、しゅんすけがレースらしいレースに出た最初のレースで、当時は5キロコースでのエントリーだった。
あの時はあいにくの雨で、ずぶ濡れになりながら当時は永遠とも言える5キロの距離を走り、それで満身創痍だった。今では5キロ程度じゃ走った気がしないくらいの距離になったけど、当時は雨だったこともあって、ホントに辛いレースだった。そのレースのスタートで、号砲がドーンと鳴った瞬間に沿道の応援のおじさんが、これからレースを始めようというランナーに向かって「ほれ、ラスト5キロだ!」と言って笑いを買っていたのを思い出す。当時はラスト5キロだなんて言えるほど走りこんでなかった。一般的なランナーには大した距離じゃないかもしれないけど、当時のしゅんすけ、いやあの場で笑ったランナーたちにとっては、それなりの大物に対峙する気持ちだったのだろう。そんな5キロが今やしゅんすけにとっては、ラスト5キロと言えるまでに成長していた。

梅雨の西湖に晴れを期待する方がどうかしているのは分かってるんだけど、なんせ2回目に出場した前回の西湖ロードレースはなかなかの好天に恵まれ、当時はまだ心許ない感じの10キロを気持ち良く走った記憶が鮮明で、今回もそんな風景をココロのどこかで期待してしまっていたのだろう。それなりに雨脚の強い雨に見舞われた時には、かなりココロにガツンと来るものがあった。けど、走り出してしまえば、もはや気にならない。雨で濡れようがしゅんすけは汗でビショビショになるのだから。

スタートラインにランナーが集まっていた。多くのランナーと同じく、しゅんすけも既に雨に濡れていた。
昨日会場で新しいランニングパンツを購入したというのにね。
幸い、風がほとんど吹いてなかったので、スタート前で身体が温まってない中で体温を奪われることはなかったけど、雨に濡れながらスタートの号砲を待っているのは、3年前の5キロレースと同じ状況であった。しかし今回、しゅんすけがスタートを待っているのは初めてとなる西湖2周の20キロコースである。既に1周10キロコースは前回経験済みなので、単純にその2倍と思えば多少気は楽かと思いきや、結構キツめの10キロを2セットというのはこれも結構ココロに響くものである。
さきこは今回10キロコースに出場し、しゅんすけに先行すること10分前に既にスタートしていた。きっと今頃は2キロ地点近くを走っているだろうと思ったその時、20キロコースのスタートを告げる号砲が鳴った。
雨の中ゆっくりと集団は前進していき、そして徐々に走り出す。
さすがに「ラスト20キロ!」のかけ声はなかったけど、大きな不安と小さな期待を気合いで中和していたのは「ラスト5キロ!」のかけ声がかかったあの時と同じであった。


スタートからしばらくは森林地帯を進む。
両脇はジャングルである。青木ヶ原樹海を貫く道路を走る。
今回もあまりペースをあげないように注意した。後半に力を溜めておきたいし、そもそもこんな悪天候で無理は禁物である。それでも最初の1キロを6分30秒で通過。この前の山中湖レースの時と同じで、どうもこれ以上遅くなれないのかもしれない。このまま6分30秒で走り続け、そのうち視界が開け湖が姿を現した後もこのペースが持続できた。
 



雨は降ったり止んだりを繰り返しつつ、その勢いがだんだん弱まってきた。空を渡る雲がだんだん薄雲の様相になってきたが、ここで晴れてしまうと路面の水たまりがどんどん蒸発して、空気中の湿度はさらに上昇してしまうから、コンディションが今よりも悪化することになる。ここはこの曇りのまま推移して欲しいところである。
それにしても悪天候からか、何となく空気が思い感じがする。そのせいかどうも走るのが楽しくない。いつもなら10キロ辺りは気持ち良く走ってる状態なんだけど、どうも身体が重い感じである。
そして2周目に入り、1時間前に通過したスタートラインを再度くぐることなった。
これが結構ココロにガツンと来た。この重苦しい走りをあともう1周、1時間以上も続けにゃいかんのか。
 

ペースが次第に遅くなってきた。
たぶんキロ当たり7分弱という感じだろう。やはり10キロ以上は疲労が現われるんだなと思うにつけ、こんなことでホントにフルマラソンを走り切れるのだろうかと思う。フルマラソンはこの日しゅんすけが走る距離の倍以上でしかも制限時間もあるわけで、ゆっくり疲労回復させる時間的余裕もないわけである。このままランニングを続けていていつかフルマラソンを走れる日が来るのだろうか・・・などと考えていたら、目の前を15キロを示す看板を通り過ぎた。
おおっ、15キロとは、まさに「ラスト5キロ」ではないか。
何となく元気づけられた感じで、身体が軽くなったようだ。昔と違って今のしゅんすけにとってラスト5キロは、「あともう少し」という意味になってくれたんだなあと実感した。
コースを走るランナーの数は、スタート当初と比べて極端に少なくなった。このペースで走るランナーは、出場者の中では少々遅い部類に入るわけで、つまり参加者の中ではかなり低い順位にいるランナーなんだけど、最後の1キロを切って、俄然ペースが上がってきた感じがする。ラストスパートか、いや、しゅんすけにはさすがにそんな無謀なペースアップをする勇気も体力もない。何故ならフィニッシュまでの残り数百メートルに現われる長い坂道があるからなんだけど、案の定勇んでスパートしていった人の何人かはこの坂道で体力と気力が尽き、歩いてしまったようだ。しゅんすけはほとんど歩く速度と変わらないスピードだけど、ランニングのステップは止めないで坂道を上っていく。この坂はさきこのウルトラマラソンの応援で自転車で走った坂だけど、自転車でさえ苦労する坂道を駆け上るんだからそりゃ大変である。
そしてついに坂道を上り切り、しばらくフラットな道が続いて、そしてついにフィニッシュのゲートが見えてきた。
おお、ついに終わるわ。いや、長かったなーと思った時、ふっと身体が軽くなった感じがした。もうこれで終わってしまうことを惜しむ気持ち、いつもイベントとかで走ってて感じる気持ちいい感じ、楽しい気持ちが沸いてきた。最後の最後で、この疎ましい天気を克服して楽しく走ることができた瞬間である・・・が、その数歩後にはもうフィニッシュ。レースは終了した。
2時間14分。いつものハーフマラソンと同じ程度のタイムである。天候もそうだけどしゅんすけも調子悪かったんだね。最後の坂道もキツかったし。
 



こうして、しゅんすけの西湖ロードレースは終了した。
一足先にレースを終えていたさきこが降りしきる雨の中、傘を差しだしてくれた。そうか、雨が降ってたんだな。
大会会場内の出店でうどんなぞ食べ、ハワイ・ホノルルマラソンの出場権が当たるという抽選会で1ミリも引っかからなくてあえなく撃沈した後、雨脚が強まる前に早々に会場を後にすることにした。
ちなみに、この大会でもさきこは上位ランクの36位だった。毎度スゴいね。
今回のレースはなかなか厳しいレースだったな。走っててあまり楽しくないにもかかわらず、それなりに走れたのは、練習の賜物だと思うことにしよう。なにせこれで今年のランニングレースの前半戦が終了なのである。秋のランニングシーズンまでしばし休息。そして、その向こうには、初めてのフルマラソンに挑戦する湘南国際マラソンが控えているのである。