2009年2月15日(日)〜豪客発動、再び。


※今回のコースはこちら。

さきこが青梅マラソンに出場するっていうので応援に行ってきた。
昨日に続く小春日和な陽気の下、先々週練習で走ったコースの本番である。
このマラソンは今年で43回目だそうで、ちゃんと調べてないけど、普通に考えて43年前から開催されている歴史あるイベントのようである。その証拠に、青梅マラソンのスタート地点となる道路には「スタート地点」の標識が立ち、30キロ折り返し地点にも「折り返し地点」と記載された標識がある。国交省が管理する道路にそんな地元イベントの標識を立てちゃうこと自体、歴史がなせる業であろう。そんな歴史が関係しているか分からないけど、このイベントは他に比べてスタート時刻が遅い。一般的には9時とか10時くらいにはスタートするものだけど、30キロ部門のスタートが11時50分、つまり正午近くなのである。30キロのランニングでは、だいたい3時間を目安にすると、ゴールは3時頃ってことになるわけで、そんな夕方近くにゴールするイベントもそうそうないことを思うに、まだランニングレースが一般的になる前から同じスケジュールを毎年踏襲してきた名残なのかもしれないね。週休二日がなかった40年前なら、昼頃のスタートでちょうど良かったのだろう。
いずれにしても、スタートが遅いということで、しゅんすけの自宅からは少々離れた場所ではあったが、かなり時間的余裕をもって準備できた。10時頃に会場に到着してもまだスタートまで余裕があるわけだからね。
問題はこのレースの参加人数である。
さきこが言うには、今回の参加者は1万5千人。これは非常に多い数である。東京マラソンやホノルルマラソンのようなマンモス大会の半分なわけだからね。それが片側1車線の青梅市街の道路を走るっていうんだから、その混雑振りは予断を許さない。人数の多さに対する不安は、10時頃にスタート地点の河辺駅に到着した時から始まっていて、もうたくさんの人で駅のホームから出ることすらできない状況だった。悪天候により首都圏のJRが軒並み運転見合わせした時の品川のカオス状態よりも酷い状態である。
会場でまりこさんと合流して、スタート地点に向かった。


※いや、実際スゴい人だった。

気温は少々高めだったけど、なかなかのコンディション。思えばこのレースって去年は大雪で中止になったんだよな。大雪で中止になった翌年の大会で、ここまで春の気候になっちゃうものかね・・・と思っていると、スピーカーからスタートを告げるアナウンスが流れ、レースは唐突に始まった。ランナーが拍手するのが先頭から波のように押し寄せていった。このスタート時にランナーが拍手するのって何かいいんだよな。誰に対してでもなく、すべてのランナーに対してエールを送っているって感じがね。

さて、こうしてさきこがスタートして行った。
ここでしゅんすけは身を翻して河辺駅に向かう。今回は久々に走るさきこを追跡することにした。
まずは青梅線を奥多摩方面に向かう。
ランニングのイベントに参加するさきこを追って公共交通機関やクルマやバイクや自転車を使って追いかけるのは以前からやっていた。しかし結論として、この追いかける行為自体に、今回ほど手こずったのもないだろう。2年前の東京マラソンの時なんかは、参加者は多かったけど、さきこを追いかけるのは比較的簡単だった。さきこのスピードは分かっていたし、応援のポイントまでの距離を考えれば、どこでどのくらい待つとさきこが現れるかが何となく予想がついたのだ。それは移動することに不便がなかったからである。しかし、今回は違った。さきこの走るスピード、追いかける交通機関のスピード、そしてこれにもうひとつ、電車の待ち時間の要素を考慮する必要があったのだ。
青梅線は首都圏のように5分も待てば来るような電車ではない。時刻表によれば、日曜はほとんど1時間に2本しかないのである。果たして3つのパラメータを操り、さきこを補足できるかどうか。

さきこのスタートを見送ったしゅんすけが最初に向かったのは、軍畑(いくさばた)駅である。その前の駅、二俣尾(ふたまたお)駅でも良かったんだけど、この駅前の風景って商店があったりして、これを背景にしたランナーの写真って「山、上ってマス」的な感じにならないことが先々週の下見で分かっていたので、その次の駅である軍畑駅で下車した。下車して驚いた。駅前からランニングコースまでの道が物凄い斜度の坂道なのだ。こんな坂、普通のクルマだって厳しい。坂を歩いて下るとすぐスピードが上がっちゃうので、後ろに重心、ブレーキをかけながら下りていく。
道路にはたくさんのランナーが走っていた。さて、さきこはいるだろうか。
今回のレースは、この前の千葉マリンマラソンの時のように、スタート時にゼッケン番号順に並ぶことになっていた。どんなに脚が早くても番号が低いと後方に並ばないといけなくて、スタート時のこの並び方のどこにメリットがあるかイマイチ納得できないのだけど、激烈に早いランナー以外はスタートしてもほぼ同じ桁のゼッケンが固まって走ることになるので、観戦してる人にとっては「この辺のランナーは5000番台か、応援してるランナーは6000番台だからもうすぐ来るなー」とか分かる点ではいいかもしれない。しかし、目の前を走るランナーは5000番台が多くなってきた中でふと思ったのがさきこの番号。あれ、あいつ「Y400番台」だったよな・・・これって、どの辺なんだ?スタート時の並び順リストをさきこが持って行っちゃったので、Y400番台はそろそろ来るのか、もう行っちゃったのか分からなかったのだ。なんで数字でない記号がゼッケンに付いているかというと、さきこ曰く「参加者が1万5千人なのにゼッケンが4桁しかないから」だそうで、そんなこと最初から分かってたら5桁にすりゃいいのにーと思う暇もなく、とにかくさきこを探してランナー集団を凝視していた。
そんな中、次の電車の時間が迫っていた。
次の電車に乗らないと、その次は30分後である。それでもさきこは来ない。
駅までは激烈な坂を上らないといけないわけで、あまり余裕はなかった。もう待っていられない。いつ来てもいいようにデジカメの電源にかけていた指を外した瞬間、しゅんすけを呼ぶ声がした。目の前でさきこが手を振って走っていた。おおっいたわー!・・・って思う間もなくさきこはランナーの雑踏に消えていってしまった。ちっ、最初の一回目を外しちゃったよ。でもこれで何となくさきこのスピードや位置関係が分かったような気がした。次は絶対に捉えるぞ・・・ってイカン、電車が来ちゃう!恐るべき斜度を誇る激坂を走って上り、ぜーぜー言いながら電車を待つ。それにしても、この激坂、ツールドフランスでもないような斜度だろう。さすがのアーム○トロングでもこの坂は上れまい。
そんな頑張りの甲斐あって、何とか電車に間に合った。


※気づかないしゅんすけに声をかけ、颯爽と駆けゆくさきこ。

若干定刻より遅れ気味に到着したなーと思ったら、電車が満員電車状態。いや、考えることはみんな同じなんだね。満員電車に揺られつつ、車窓から見えるランナーの姿をやり過ごしながら電車で次の観戦ポイント、川井駅に向かう。
この駅前よりもちょっと先に折り返し地点があるのである。

 
※電車から見た風景。右の写真にはちょうど折り返してきた先頭ランナーが写っている。

駅前のコースでしばらく待つとさきこが現れた。
上りベースの往路を走ってきてちょっと疲労している感じか。足取りが重そうに走っている。しゅんすけが声をかけても聞こえないようでそのまま走って行ってしまった。う〜ん、大丈夫だろうか。その直後にまりこさんが来て、その後しばらくして折り返してきたさきこが再び現れた。今度はしゅんすけの声に反応してくれた。まだ笑顔が出ている。大丈夫、残りあと半分の15キロである。


※川井周辺でさきこを捕捉するも気づかなかった。


※折り返した後は気づいていた。

ここからしゅんすけもさっきとは逆方向に青梅方面に向かう電車に乗って次の観戦ポイントに向かうのだけど、ここで次の電車まで20分以上も待たないといけないのだ。この20分間でさきこはさらに進んでいくだろう。20分後に電車に乗ってさきこを追跡し、どこでさきこを追い越すか。いっそのことぐんとゴールに近い地点まで行けば、さきこを追い越すことはほぼ可能だろう。しかし、その場でさきこを捕捉できても、そこから再び30分後の電車に乗ってはゴールでさきこを迎えることができない。さきこを追い越していて、かつ適度にゴールから離れていないといけない。
地図を凝視して迷い、決断した。ゴールとの中間地点より少し先、さっき下車しようと考えた二俣尾駅でさきこを待つことにしよう。軍畑と違って駅前がすぐコースになっているのが幸いである。
こうして長い間電車を待ち、やっと来た電車で二俣尾駅で降りる。駅前出口を出て、カメラを取り出した瞬間であった。
さきこが現れた。
このタイミングはまさに神業である。不案内な青梅線のダイヤを考慮しつつ、さきこのスピードと電車のスピードを絶妙に考慮して下車した瞬間にさきこに会うなんて。いや、3年くらいさきこのレースを追いかけてるけど、ここまで絶妙なタイミングはなかったなー。ここまでお膳立てしてくれているのに、しゅんすけのデジカメに連写機能すら付いていないのが悔やまれる。走る姿がどうもいつもイマイチなんだよね。


※残り5キロ辺りだろうか。少し疲れている。

電車を降りて間もなくさきこに会ってしまったので、次の電車までの時間がかなり手持ち無沙汰であったが、ようやく来た電車で河辺駅まで戻ると、これも当然だけど、しゅんすけのようにランナーの追っかけをしてた人たちが駅にごった返し、朝のカオス状態を再発させていた。駅のホームから出るのもままならず、やっと駅を出て足早にランニングコースへ向かう。そういやゴールした後にはコカ・コーラが欲しいとさきこが言っていたなとコンビニに入ろうとしてふと見ると、コースを取り巻く人垣の隙間に走るさきこの姿が見えた!うおー!あとちょっと足りなかったー!

最後の雄姿を見ることができず、とりあえずコカ・コーラを買ってゴール地点に向かう。さきこから電話が入り、たった今ゴールしたとのこと。そうそう見てました、残念ながらゴールシーンは写真に撮れなかったけどね。
ゴール地点で再び現れたさきこは意外にも元気そうだった。腰痛に不安があったけど、走っている最中は痛くないんだそうで、この段階ではまずは安心である。
記録は3時間を切る記録が出たそうで、この調子であればフルマラソンで4時間を切ること(=サブフォー)もできそうである。なんせさきこの今年の目標は今度のウルトラ100キロとサブフォーだそうだからね。
さきこの感想としては総じて楽しいマラソンであったようである。ただし、人が多すぎて、これをかき分けて走るのはなかなかストレスだったそうである。でも、沿道の応援や私設エイドの多いレースっていいよね。しゅんすけも来年は出てみたいな。自転車で走ったコースだけど、なかなかキツい道である。けど来年の今頃はきっとこの程度の30キロなら走れるようになってるハズ・・・だよな?
※次回も応援にまわることがあったら、今度は青梅線を使った追いかけじゃなくて、多摩川対岸の道路を並走するやり方を試してみよう。

それにしても4時過ぎまで駅前にいたけど、人の多さはまったく解消してなくて、再びカオスな駅を電車に押し込められて帰途に就いたのであった。


※お疲れ様でした〜。