2008年11月23日(日) 横須賀シーサイドマラソン


※今回のコースはこちら。

よこすかシーサイドマラソンに参加してきた。
しゅんすけ2回目のハーフマラソンである。前回のハーフではさきこが伴走してくれて、精神的にも体力的にもいろいろと助かったのだけど、今回は普通にレースしたいとのことで、レーススタート時まで一緒にいたのに8時45分のスタートの号砲が鳴ったと思ったらしったったったーと走っていき、あっという間に人混みに消えていった。スタート早々一人きりになって、黙々と走ることになった。
このレースは距離調整のため、スタート直後は同じ道を何度か周回するんだけど、その単調さにこの段階で早くも気持ち的に萎えてきた。そんな折、某ランニングクラブの仲間の応援に遭遇したのは嬉しかったな。

 
※(左)まだ朝焼けの残るランニングロード。(右)久々に一緒のレース・・・がすぐ消えた。

さて、しゅんすけの一人旅は、距離調整の無限ループを越え、馬堀海岸に向かっていた。この周辺は住宅街なんだけど、海沿いの道路にはヤシの木が立ってたりして南国情緒豊かで、走ってて気持ち良くなってきた。
しかし、問題もあった。
しゅんすけは一体どのくらいのペースで走っているのか。
このレースは150分、2時間半でゴールしないと失格になってしまう。前回のレースでしゅんすけはキロ当たり6分30秒程度で走っていて、後半のペースダウンもあって結果的に2時間20分くらいでゴールしている。ランニングの練習をあまりしないために、走る感覚として自分のペースが分からないしゅんすけは、どうしても時計のタイムを目安にせざるを得ないのだけど、実は今回はストップウォッチのタイムがあまり参考にならない状況なのである。なぜならストップウォッチをスタートさせるのが遅れていて正確なタイムが刻まれていなかったのだ。このレースは一般のレースと違ってスタートラインがなくてストップウォッチをスタートさせるタイミングを逸してしまい、気づいて慌ててスタートさせたんだけど、スタートしてからどれだけ時間が経ったのか分からなかったのだ。幸いスタートしてからほどなくして「1キロ」の標識があったので、その時点のタイム(4分程度)を差し引きして考えれば良かったんだけど、このレースは1キロ地点以降の標識が極端に少なくて、結果的には10キロ地点まで自分のペースが分からないという状態で、それまではまったくペースが分からず手探り状態で走る感じで結構なフラストレーションだったのだ。

馬堀海岸の南国情緒な街並みを抜けていくと、勾配が少し出てきた。坂道が始まった。
しゅんすけは事前に地図でコースをチェックしていたので(大会公式HPの地図ではあまりにも分かりにくかったので、某ランニング関連サイトの地図サービスも使って)、7、8キロ辺りと折り返し直前の10キロ過ぎに坂道があることを知っていて、しかもこのレースは折り返して同じ道を走るコースなので、5キロくらいの区間の中に4つも坂道が存在することを知っていた。知っていたんだけど、やはりこの坂はキツいわ。以前自転車で上ったことがあるけど、自転車で上ってもキツいんだから走ったって当然キツいわけである。
しかも10キロ前後で次々と現れる坂道である。しゅんすけはだいたい10キロ程度のレースがメインだったので、いつもならレース終盤で疲労が蓄積しているはずのこの距離で現われる坂道は肉体的にも精神的にも大きく影響するわけである。
2回目の坂道を越えて下っていると対向車線の折り返し後のランナーの中にさきこを見つけた。さすが坂道のスペシャリスト(?)、笑顔でがんがん上っていた。いやスゴいわ。ってか、こうして同じレースに出るのはホント久し振りで、改めて思いを至らせるにつけ、それがハーフマラソンってとこが、しゅんすけの成長を改めて実感させた。

 
※南国風情の漂うランニングロード。

※勾配が始まった。これがかなりキツい。

 
※観音崎が見えてきた。

坂道を下ってしばらく行くと折り返し地点が見えた。折り返し地点の砂浜は潮の香りがして、気持ち良かったな。ココロ洗われるようであった。
さて、折り返しのコーンにハイタッチして、復路が始まった。いきなり上り坂である。いや、下った時は思わなかったけど、これは相当の勾配である。既に歩いている人も見られたけど、気合いを入れて上り切った。


※折り返しの観音崎大橋。潮の香りが気持ちいいわ!

復路2回目の坂道を上っている時、右膝に痛みが走った。やはり来てしまった膝痛。
前回如何ともしがたい膝痛を経験したしゅんすけは、今回は腿の筋肉をサポートする機能付きのスパッツをはいて出場した。その効果は賛否両論だそうなんだけど、気休めでもあった方がいいだろうと1万円も出して購入したのだけど、あと7、8キロを残した中で膝痛が現われたのだ。
いや、恐れていた膝痛が現われたとは言っても、ここで辞めるわけにはいかないので、重い足を進めていくしかない。辛い旅路になったのだが、そんな膝痛にモチベーションがホコロんでいたしゅんすけに最高の景色が現われた。
目の前に富士山が見えたのだ。
おおっ、富士山じゃん・・・てか、なんで東京湾側から富士山が見えるのだ?しゅんすけの神奈川県の地理に関する知識ってホント単純で、東京湾に面した海岸は西側がすぐ山になっているので、富士山が見えないって認識だった。つまり東側の海岸の背後にはすぐに鎌倉の山々(鎌倉アルプスとも言うらしい・・・アルプスって・・・)が連なっていて、山を越えて富士山を見ることはできないと思ってた。しかし、馬堀海岸は北側に東京湾があるという特異な立地のため、富士山が見えるのだろう。いや、これは嬉しいわ。しゅんすけは出場しなかったけど、先週の湘南マラソンは雨になっちゃって、相模湾越しに富士山を見ることができなくて某ランニングクラブの仲間たちは残念がっていたけど、今日こんな場所で、しかも東京湾越しに富士山を見るという特異な形が実現したのは、富士山大好きなしゅんすけにとって大きなアドバンテージだった。上り坂を越えて疲労困憊だったけど、思わず足を止めて写真を撮りまくった。

 
※復路の激坂。紅葉がキレイだなー・・・ってキツいわ、ホント。

富士山を見ながら走っていたら、気づかないうちに馬堀海岸の海沿いの道を過ぎていた。時間はなかなかいいタイムである。スタートしてから2時間。さきこは既にゴールしただろう。しゅんすけもこの時点で息が上がっていなかったので、最後3キロを若干ペースを上げることにした。
しかし、この若干ペースを上げたのが最後の試練の始まりだった。最後の3キロだというのに、力が入らない・・・ってか、もの凄くお腹が減った。お腹が減ってカラダが思うように動かなくなってきたのだ。これって、以前自転車雑誌でレーシングドライバーの某片○右○がツールドフランスの山岳コースを走るイベントで体験したというハンガーノックってヤツか?(いや、実際はたぶん腹が減っただけ。どうもハンガーノックってはもっと深刻な状況らしい)
ペースを上げるつもりが逆効果でどんどんペースダウンしていく。歩くスピードとさほど変わらない走りで、実際既に歩いちゃってる前方のランナーがなかなか近づいてこない。アゴが上がっていた。とにかく何か食べたい。このレースが終わったら上大岡の某とんかつ屋でワラジとんかつを食ってやる!とか思いつつ、事前にさきこに渡されていたウエストポートを漁ると、中からチョコレートが出てきた。力が入らずもどかしく包装紙を開けて口に放り込む。チョコレートを飲み込んで胃に入れてしばらくすると不思議なもので少し元気が出てくる。ウエストポートを開けて中を探ること自体、疲労困憊なしゅんすけには大変な作業だったけど、いくつかチョコレートを食べたら元気が出てきた。


※見よ!この絶景を。こういう景色が横須賀にあったなんて!

※だから思わず写真撮ってもらっちゃったよ。

そして「残り1キロ」の標識を越えた。
往路で応援してくれたランニング仲間がしゅんすけを応援してくれて、ゴールゲートが見えてきて、その向こうにさきこの姿が見えて・・・ついにゴール。
満身創痍な状態でハーフマラソンを完走したのだった。

いや、ホント死ぬかと思った。
海を臨むコースはホント幸福感を感じるほど気持ち良かったし、あの時はたぶんエンドルフィンが出てたんだろうと思うけど、中盤に現われる4つの起伏には苦労したし、膝も痛くなった。後半の空腹にも相当苦しめられた。いろんな意味で課題が出たレースだったけど、総じて感動的に楽しいレースだった。
実は来週もレースである。しかも、河口湖1周=27キロである。つまりこの日のレースの距離プラス7キロ程度を走らないといけないわけである。今回の課題になった膝痛や空腹を克服して果たして完走できるのか。

しゅんすけの書くこのランニングの記録は、ゴールして、総括して、ひとつのレースが終わるという書き方を毎回踏襲しているけど、今回は違う。このレースは来週に続く大きな流れのひとつの山場に過ぎないのだ。来週、しゅんすけはどのような状況で27キロを走るのか。湖や海などの水辺のコースが好きなしゅんすけがハーフを越えて生涯もっとも長い距離に挑むこの日をどのように迎えるのか、今からドキドキである。
だから、このランニングの記録としては初めてのことだけど・・・続く。

※馬堀海岸からの富士山。来年も走りたい。