横浜マラソン。

先週の勝沼のレースに引き続き、今週もレースである。本番2連チャンは初めてである。彼は10キロ、彼女はハーフにエントリーした。
彼女について言うと、今日は全然本調子ではなかった。風邪をひいてしまい、病院から貰った薬が身体に合わず、さらに体調が悪化して、結局金曜は会社を休んでしまった。ここは、勇気ある撤退もあり得るかと思ったら、土曜だけでかなりの回復レベルまで持って行った。さすが、である。でも、今回もハーフ。彼女にとって鬼門であることは先週分かったばかりで、体調が悪い中、鬼門を克服して、ハーフの距離を自分のものにできる可能性はほとんどなかった。

不利な可能性としては天気の問題があった。
先週はもの凄い晴天に恵まれたけど、今日は基本的に雨。しかも午前中はほとんど雨らしく、肌寒い日らしかった。雲が垂れ込める中、山下公園へ向かった。
さて、今日は某ランニングクラブのメンバーとして、出場するので、朝早くにランニングクラブで集合して、みんなでウォームアップなぞした。

そんな折、彼に事故は発生する。
雨でぬかるんだ芝生を歩いたからか、泥がべっとり靴につき、それが歩いているうちにジャージの裾を汚してしまった。茶色い泥で汚れてしまった。ま、泥土だから、乾けばそのうち落ちるだろうと思っていたんだけど、どうも様子が変。よく見てみると・・・ぎゃーす!うんこだったー!!!
うっそー、昨日買ったばかりのジャージなのに、うんこ付いちゃったよ!
泣く泣くトイレで洗ったけど、あまりキレイにならない。くっそー、変なところで運が付いちゃったよ。

さて、ハーフ組のスタートである。
先週とは比較にならないほどの出場者。交通規制された山下公園前の道路が人で埋め尽くされた。そして、10時20分。中田市長(初めてホンモノ見た)の号砲でハーフ組がスタートしていった。さて、彼女は無事ゴールに帰ってこられるか?!
 
※(左)スタート前の山下公園。(右)完調でないにもかかわらず気合い充分の彼女。

※ハーフ組のスタート直前。彼女が見える。

ハーフ組が出発してしまうと、今度は彼の10キロ組のスタートである。
実は先週のレースでは反省があって、スタートを待つランナーの固まりの後ろに回ってしまうと、最終的にあまりいい順位が出なかった他、大会の時計と自分の時計にかなり大きな誤差が生じてしまうわけで、今回は少し集団の前でスタートを待った。
10時35分、10キロ組のスタートを告げる号砲が鳴った。
果たして彼は先週に続き、1時間以内に帰ってこられるのか?また、先週おぼろげに掴んだ10キロの距離感を確かなものにできるのか?
彼はうんこ付きのシューズで走り出した・・・ぎゃふん。

※スタート直前、ランナーたちがひしめく。

スタートすると、まずは新山下方面へ進路を取る。これは、先週、自転車で走ったコースである。まさに地元の中の地元である。
ただ、分かっていたけど、自転車で通ったことがあっても、クルマで何百回も通ったことがあっても、自分の脚で走ると感覚が違っている。橋から見える海やその向こうに見えるベイブリッジ。まさに横浜の風景である。

横浜の風景・・・って、最近はみなとみらいに奪われ気味になっちゃって、新山下周辺も元々寂しい街だけど、さらに寂しさが漂う。昼間だからかもしれないけど、初めてこのレースに参加した人は「これが横浜???」な感じは否めないと思う。
確かに、今回のレースは、山下公園から新山下を抜けて、D突堤の横浜シンボルタワーへ向かい、本牧の工場群を折り返して、山下公園へ戻るルートだから、なんか港街・横浜な印象って弱いよね。工業都市・横浜って感じで。

さて、最初の1キロを6分を切るちょっとオーバーペースで飛び出した彼。
新山下を抜けて、一路シンボルタワーを目指す。調子は悪くなかった。ハイペースはキツイけど、このまま行けば確実に1時間を切れる。
ただ、人が多すぎた。3キロも過ぎれば、混雑状態から抜けられると思ってたけど、少々緩和された程度で、目の前には必ずランナーがいて、しかも微妙にペースが違うから、かなり気を遣う。人をすり抜けて走る。

10キロを自分のものにし始めている彼が今までと違うのは、走行距離をその心の拠り所にしていないところ。今までは、「3キロ」って看板が来て「おお、やっと3キロか、はぁはぁ」って感じだったけど、今では時計を見ながら「そろそろ3キロの看板が・・・ほら、あった」って感じで走っている。自分のペースを冷静に見ている証拠だろうか。

道はD突堤に入り、立ち並ぶコンテナの向こうに白いシンボルタワーが見えてきた。10キロ組はシンボルタワーの手前で折り返しになる。彼がシンボルタワーを視認できた時に、折り返してきた10キロ組の先頭とすれ違った。

※D突堤を走る。向こうにシンボルタワーが見える。

折り返し地点は、ちょうど5キロ付近。あと半分である。
調子は悪くなかった。まだ、走りながら写真が撮れるくらいの状況だからな。
ただ、前回よりも気持ちの高まりが感じられなかった。前回は、走ってて楽しかったのに、今回は楽しい度合いが低い。そりゃ、そうか、走っても走っても延々コンテナジャングルだもんな。勝沼は、坂道がそりゃーキツかったけど、上っていくに従ってホントにキレイな街並み、ぶどう畑が見目麗しいというか、風光明媚というか、走りながら「おおーキレイだなー」とか言えたんだけどね。

でも、天気が良かったのは助かった。
予報では雨だったのに、雲の隙間から青空がのぞき、陽光が差し込んでくっきり影ができるほどだった。肌寒いというより、暑かった。

※折り返し地点。あと半分!

D突堤を戻ってくると、ちょうどハーフ組のトップが本牧の折り返しを終えてくる頃だった。いや、早いわ。距離はだいたい7キロ付近か。この頃でも、まだランナーの芋洗い状態が続いていて走りにくい。さあ、そろそろラストスパートだ。
周囲も若干早くなる。この段階まで力を溜めていたランナーのギアが入る。彼も少しだけペースを上げた。この段階で、42分。ホントにキロ6分で刻んできた。1時間以内のゴールはまだまだ分からない。







※レース中に撮影した写真。写真を撮る程度の体力は残っている。

新山下の長い橋の坂道を下ると、山下公園横の突堤に設けられたゴールを目指して走るランナーを見下ろせた。あそこまでいけば、ゴールである。勢いを殺さないように坂道を駆け下りた。
角を曲がると遠くにゴールが見えた。時間はもはや57分を超えた。
良かった、なんとか1時間以内でゴールできそうだった。
そして、見た目よりもかなり長い距離を疾走して、へろへろになって、ゴール。
ゴール目の前の時計では、59分17秒。
大会記録としても公式に1時間をクリアできたわけである。やったぜ!

※おおっ、遠くにゴールのゲートが見える。

※見よ!ついに公式タイムで1時間の壁を破った。

※自分の時計でも1時間以内だったぜ!ナイス!

ゴールした彼を待っていたのは、強烈な海風であった。
汗に濡れたシャツは、10キロを走破して火照った身体から体温を奪っていく。このまま、彼女を待っていると、マジで風邪をひく。一旦、ランニングクラブの集合場所まで戻って、上着を持ってこよう。
いや、それにしても、ゴールしたてで飲んだアミ○バ○ューは美味い。彼女がホノルルマラソンの時に「命の水だ!」と言っていたけど、やっと実感できたわ。

さて、彼女である。
この大会は、ハーフ組にはかなり厳しい時間制限を設けている。22キロ近く走るのに用意された時間は、たったの117分。2時間ない。
キロ当たりの走行時間は、5分30秒。6分ペースで走ってきた彼なら、容赦なく足切りになって、用意されたバスに乗って失意のゴールを喫することになる。体調不良でハーフが鬼門の彼女は、時間内に現れるのか?

制限時間が迫る中、ゴール近くで待っていると、彼女がやっと現れた。
やはり、キツいレースだったようである。先週もそうだけど、足を押さえつつ走っている。彼は思わず一緒に駆けだした。(警備員にマイクで注意されちゃったよ)
1時間56分57秒、116分57秒。あと3秒で制限時間だった。

※やっと彼女が現れた。

※う〜ん、やはり調子が悪いようだ。

※ゴール前でもう一枚。

※もいっちょどうだ!

彼女のレースは、彼が心配していたとおり、厳しいものだった。
彼女曰く「んもう3キロで嫌んなっちゃう」状態で、今回も新山下を抜ける辺りで既に精神力の減退を感じ、残ったわずかな気合いで20キロ近くを走破した。風邪からくる咳によって呼吸が乱れることはほとんどなかったとのことで、それだけは良かったかな。ゴールしてからゲホゲホしてた。

その瞬間、打ち上げられる花火。
制限時間が来てしまった。
そう言えば、まだまりこさんの姿を見ていない。全然練習をせずに臨んだ今回のレースだけに、下手をするとバス帰還か?と思ってたけど、制限時間を4分超えてなんとかゴール。とりあえず、無事でした。

それにしても、観光を売り物にしている横浜の名を冠したレースの景色が、全然イケてないのが残念である。せっかく、横浜マラソン(しかも、マラソンですらない)って言ってるんだから、みなとみらいをガーンと交通規制してやるくらいの気合いは欲しいものである・・・と思うくらい、景色的につまらないコンテナ風景であった。ハーフ組なんか、本牧の工場群の中を走ったわけで、いわゆる「工場オタク」でない限り、全然面白くない。この辺はぜひ改善して欲しいものである。
そして、給水。結局、給水は一回だけ。これはキツかったな。ペットボトルを持って走れば良かったわ。
でも、天気は良かった。雨予想を覆して太陽が顔を出すなんて、よほどの晴れ気質がいたんだろうな。雨男・雨女な彼と彼女では絶対に晴れてくれなかった。

山下公園で少し休憩して、ファミレスで飯を食って帰宅。
また脚のあちこちが痛み出したのであった。
 
※お疲れ様でした〜。
1