こてつdeGO!〜2007Mt.FIJUエコ・サイクリング
プロローグ

あおき家は富士山が好きである。
しゅんすけのHPにも折に触れ富士山の写真なぞが掲載されるのが、富士山好きを物語る。また、登るのも好きである。今年は残念ながら行けなかったけど、去年まで連続4年間富士山に挑戦して、3回登頂を果たしている。そして、しゅんすけは沼津暮らしで、目の前に見る富士山に惹かれたものである。夏の昼間は赤鉄色の山肌がその雄大な素顔を見せ、夜は5合目辺りから転々と続く山小屋の明かりが満点の星空に浮かぶ。冬は雪に覆われ、日陰と日向のコントラストがまったく威厳を損なわない。遠くから見る富士山、近くから見る富士山、実際体感する富士山。どれも魅力的である。
日本の・・・というと拡大しすぎだけど、少なくとも関東や東海の人にとって、富士山は景色の原型と言っていいくらいの象徴性があると思う。しゅんすけだって、今の家は富士山が見えるから決めたわけだからね。

そんな富士山がなぜ世界遺産に登録されないのだろうか?
それは、どうもゴミ問題にあるんだそうである。
原生林に広がるゴミや富士登山者のゴミなんかも問題なんだそうな。しかも、富士登山で砂礫が崩されて景観が変わってしまうのでは?なんて心配も聞いたことがある。
そんなわけで、今回参加したサイクルイベントは、富士山のクリーンアップという意味も込めてエコ・サイクリングと銘打っているわけである。

さて、しゅんすけは2回目のサイクルイベントへの参加である。
富士山の麓を朝霧高原から1周するのである。この前東京シティサイクリングで38キロを走破したけど、富士山の周回距離100キロに比べれば、チャンチャラおかしいくらいの距離である。
果たしてしゅんすけはその距離を走破できるのか?

土曜日は、日曜のサイクルイベントのプレイベントの日で、富士山を取り巻くエコロジーについて、ゴミ拾いやセミナーが開催された。少しでも富士山の美化に貢献したい思いの強いさきこだったけど、今回は残念ながら時間の関係で参加できなかった。でも、富士の自然を守るNPO団体の方のセミナーに参加していろいろ情報を得ることができて良かった。
また、開催場所が日本盲導犬総合センターという盲導犬を育成訓練する場所で、盲導犬についてもいろいろ知ることができた。こういう特定の使役に供される犬は、厳しい訓練や自由意思が制限されることから、かわいそうと見る向きが多くて、しゅんすけも盲導犬というとなんかネガティブなイメージが先行するのだけど、実際はどうもそうじゃないようである。人と犬の信頼関係に基づいて犬は自分の意思で人の役に立っているのだそうな。犬は人に褒めて欲しくて行動する。厳しい訓練などないそうな。
そんな盲導犬の世界を垣間見ることができてとても有意義であった。富士の麓の厳しい環境の中で働く人の姿にも魅せられた。
※ちなみに、今回のイベントの拠点となった日本盲導犬総合センター「富士ハーネス」という場所は、以前オ○ム○理教の施設があって、日本中を激震した場所なのだそうな。そんな場所とは思わなかった。

※授乳中の盲導犬のお母さん。子犬たちが非常にカワイイ。


※盲導犬デモンストレーションを終えた盲導犬。なんとなく疲れた。

また、サイクルイベントの中で語られるエコロジーの議論では「クルマで移動するよりも自転車で」ってのが、ほとんど予定調和的な結論なんだけど、その根拠として人が動くのに比べてクルマが動く場合の二酸化炭素の排出量が300倍以上にも達するという数字的な側面を提示されたのが印象的だったかな。調べれば分かることだけど、こういう数値で見せられると確かに人が自転車で移動した方が相当エコロジーだと分かる。

ところで、エコロジーというと、最近は「地球が泣いている」などのコピーが氾濫して、イマイチ親近感がないというか、ホントに地球は泣いているのか?惑星・地球という観点では昔はもっと違う環境だったのでは?と疑念が尽きなかったのだけど、富士山を守るためのエコロジーと言われるとすんなり入ってくる感じがする。ニンゲンは惑星レベルでモノを考えられるまで脳みそができていないので、こういう身近な観点からエコロジーを始めた方がいいのではと思うのだ。

さて、自転車の話しから大きく脱線しちゃったけど、前日のイベントでは伊ビア○キ社製自転車の大抽選大会というエコロジー色から一転して自転車イベントっぽく、そしてじゃんけん大会なのになにやら殺気立った雰囲気を引きずったまま終了。この日は近くの宿に宿泊した。
この宿は、探すのに少々苦労した。というのは、観光協会から知らされた宿は、このイベントのために全部満室で、他に紹介された宿もなかなか苦戦だったのだ。そんな中、ちょっと怪しげな感じの宿に電話すると、まだ全然大丈夫というので予約したんだけど、ここまで断られ続けている中ですんなり空き室があるというのも胡散臭くて、ちょっぴり不安だった。行ってみると、敷地内に宿泊施設と私営塾とコンビニが併設されているというやっぱり怪しい場所だった。たぶん余った土地でいろいろやってる家なんだろうな。だから、宿の人が営業的に応対できず、微妙に癇に障るコトバがしゅんすけを苛立たせたのだろう。
ここで夕食を摂った。ほとんど普通の家のちょっと大きめな居間程度の場所で、3組の客が夕食を摂っていた。その中でしゅんすけたちの向かいに座ったおじさん2人組は、明日のサイクルイベントのために立川から中央線で輪行してきたそうで、下車した中央線・河口湖駅からなんとここまで自転車に乗って来たのだそうな。河口湖駅というと、富士山を挟んでちょうど反対側である。明日のコースの半分を走ってきたわけか。う〜ん、スゴい、こんなおじさんもいるんだなー。

明日は4時起きである。
宿から会場までクルマで5分程度だから、クルマではなく自転車で会場入りしても良かったのだけど、相当の上り坂に体力消費を恐れて、クルマで行くことにした。そうすると、当然駐車場への大渋滞になるわけで、少なくとも5時前には宿を出ておきたかった。
結果的には、ちゃんと4時に起きて5時頃会場に向かったにもかかわらず、駐車場は渋滞してなかったけどね。
駐車場にクルマを停めて、辺りを伺う。
だんだん明るくなってきた中、クルマから自転車を下ろして、組み立てている。タイヤに空気をシュコシュコ入れている人もいる。普通のランニングのイベントとはちょっと趣きの違う光景で、何となく以前参加した富士スピードウェイのイベントを思い出す。愛車の調整に余念のない人たちの姿があった。

しばらくして、しゅんすけたちも準備を始める。
今回借りたレンタカーは軽自動車だったのだけど、先日山中湖遠征の時に借りた普通車よりも荷室が大きいので、自転車が入れやすかった。高速代も維持費も安いので、今後軽自動車に乗ってもいいかな。

準備万端の頃、富士山越しに見える東の空が明るくなり始めた。
(これは富士山の西側でないと見られない貴重な光景である)

スタート地点に到着すると、様々な自転車がひしめいていた。参加者は今回1000人だそうだけど、1200人参加した東京シティ・サイクリングよりも少ない感じがした。もしかしたら、スタート後に到着する人もいるのかもしれない。
東京シティ・サイクリングと違って、小径車は見当たらなかった。

こうして、しゅんすけの初挑戦100キロの旅が始まろうとしている。

続く・・・。(続きはこちら)
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